日本では連日ニュースで自国の状況を報道しているが、実生活では中国の方が数倍キツい。
今年に入り日本から中国へ飛び、3週間+1週間の隔離を終え1ヶ月が経過しましたが、状況はほぼ変わっておらず感染情報があればバタバタと動き状況によってはあちこちで検査場が作られ、周辺一帯の住人が一斉に検査を受ける様な日々です。
遠出となれば陰性証明が必要になるなど相変わらずで正常時でもそこら辺中に検査場を作っていつでも検査を受けれるような状況にしてくれれば良いのですがそうでもなく、現状の生活の不便さは世界ワーストクラスでは?と思うくらいです。
そんな状況にも関わらず遠方へ出張することになりましたので、その時の状況を書きます。
現状どんな感じか?
私が出向している広東省のある都市の状況や他の出向者からの情報をベースに2022年3月時点での内容となります。
コロコロ状況が頻繁に変わるので、この時点では・・・という事で書きます。
世界中で流行りが終わらない例の状況ですが、中国も人口の割には少ないものの対策が非常に厳しく対応しております。
基準は、中国国務院顧客端が毎日定期的に更新する高危険エリア・中危険エリアの発生場所となります。

まず、高危険エリアが存在する市では、DIDIなどの配車アプリや公共路線バスでは高危険エリアが存在する市の外に行く事が出来ません。
なので、バスの路線が急に短縮されたり、行き先表示は変わっていなくてもバスに乗る際に行き先を聞かれて、そこには行かないと言われるケースもあります。
こんな時、隣の市へ行くバスが短縮されて途中で降ろされるバス停には、隣の市まで運んでくれる業者が大量に控えており片っ端から声を掛けて誘ってきます。
私も医者で診断受ける為に隣の市へ行く途中でこんな目に遭い結局行けず仕舞いでした。

高速バス・鉄道・航空便は48時間以内の陰性証明が必要です。
これがないと間違いなく乗せてくれません。
証明は健康コードと言われるWechatやAlipayアプリのミニプログラムにて表示が出来ます。
この健康コード、都市別で異なるミニプログラムが存在しますが、基本的に元の情報が紐付いているので表示が異なることはありません。
もう1つ、通信行程カードという健康コードと同様にスマホやタブレットで表示できるものがあります。
これも過去14日間滞在した市がわかるようになっています。
カードの色で判断されますが、高危険エリア・中危険エリアが存在する市に滞在した場合、*が表示されます。
これが表示されると、都市によってはショッピングセンターに入れない等の制限を受けます。

なお、自家用車・会社の車であれば市や省を超えて移動することは比較的容易ですが、省や市のルールによっては行き先・戻ってきた際に検査を受けるよう要請される場合がありますので、市外に出る場合は色々と事前情報が無いと困る事が多い、という状況です。
鉄道編
2月下旬に隣の省である福建省へ出張することになりました。
福建省でも浙江省に近い場所でしたので通常飛行機で行くのですが、会社からは乗り換え無しの鉄道を推奨され(強制では無い)仕方がなく片道6時間弱乗りっぱなしの鉄道で行く事に。
駅に入るのに、48時間以内の陰性証明を見せないと入れません。


最寄りの駅に到着し改札通過後に検閲があり、健康コードを見せるだけで済むかと思いきや、外国国籍は別ルートに通され「広州市」の健康コードとパスポートを見せたら出口へ。これは比較的緩い方です。
次の日の帰りは推奨されていない飛行機を使って戻ることに。
(※最悪当面在宅勤務もあり得るので業務に支障が出ない事を前提として、今後他の省への出張もあるので何が問題になりそうかの把握をする為に実行しました。)
その空港に行く為に往路と同様鉄道に乗って浙江省(温州南駅)へ向かいました。
鉄道に乗車・最寄駅に到着して改札通過まで良かったのですが、ここから様子が変わります。
まず、滞在してた都市によってルートが変わります。指定されている都市はその時に危険エリアが多数設定されてた都市もしくはその可能性が高い都市が表示されてました。
私が非該当だった為、別ルートに行きましたが検閲通過にはこの都市(温州市)専用ミニプログラムの健康コード的ものを表示する必要があるのですが、これが大苦戦で上手く設定できず。
検閲の人に見せて少し手伝ってもらったものの、やはり上手く行かず。
広州の健康コード・通信行程カードを見せて自分が問題無い事を証明し、なんとか検閲通過。

ここから地下鉄に乗って空港へ行くのですが、温州市の健康コードの設定が相変わらず上手く行かず、地下鉄の駅に入るための検閲で交渉し粘ったものの通過出来ず・・・。さて困りました・・・。
飛行機編
仕方がなく駅最寄りのタクシー乗り場からタクシーを使うことに。
なんと、そこのタクシー乗り場に入るのも検閲があり、当然温州市のコードが上手く設定出来ない事を画面見せながら説明し、広州市の健康コード・通信行程カードも見せてなんとか通過しタクシーへ。
この温州南駅でのやり取りとタクシー行列・高速道路渋滞により予定より1時間ほど遅れて空港に到着。
当然、空港ターミナルに入るのも温州市の健康コードを見せる必要が・・・。
この時点でも設定が出来ず、入口でも交渉ダメ・・・、でも親切な検閲の方がいらっしゃいまして、私が日本人ということを理解し一緒にスマホであれこれ設定を試みてくださり、何とか上手く設定出来てようやくターミナルでチェックインへ。

しかし、これだけ時間ロスしてる為、チェックイン締め切り時間から10分遅れてしまい、交渉してもチェックイン出来ず。当然飛行機に乗れない事に。
これはマズイ状況になりました。
夜7時を過ぎており、購入してた広州行きの航空券を翌日に変更するか?宿泊必要か?宿泊すると48時間の陰性証明の期限が過ぎてしまう等手詰まり感があったのですが、1時間30分後に深圳便があった為、それに乗ることに。

空港チェックインの際、渡航先で指定される健康コードが存在する場合がありますので、この時点で設定完了・OKの状態にしておかないとチェックインが完了しませんが、そこは問題なくクリア、無事に飛行機に乗れました。
なんとか広東省に戻ってきて、深圳空港を出る為にまた検閲がありましたが簡単に通過し、最終的には予定より2時間遅れて自宅に到着。
一緒に出張に行った人は帰りも鉄道で移動しましたが、到着駅で検査を受けることになってました。

対策は?
①必ず48時間の陰性証明が必要です。
省内でも高速鉄道・高速バス乗る時は要求されますので、これをやらないと遠くに行けないと思ってください。
長期間出張の場合、どこで検査を受けれるのかを調べておく事と、検査後証明が発行されるのがばらつきがあるものの約半日掛かりますので、これを
考慮して移動計画を練る必要があります。
②省外に行く場合は、ご当地健康コードのミニプログラムを入れておく。
検索で簡単出るものと、出てこないもの、行って初めて知ることがありますが、事前に調べておくと良いです。
そういう意味では、飛行機だとチェックイン時に到着場所の健康コードの導入アナウンスがあったりしますので安心かも知れません。
③通信行程カードに*を付けない。
危険エリアに指定された場所がある市に数時間以上滞在すると*が付きますが、これが付くと結構面倒な事になる可能性があります。
付いた時点で、遠出の出張や旅行は止めた方が良いです。
最後に
日本では間違いなく経験することが無い検閲だらけの長距離移動なので、出張に行く気にすらならない感じでしたが国を挙げての対策なので仕方が無いところではあります。
ですが、場所によってここまで方式が変わったりするのは、この国らしいところでもあり、良い経験?にはなりました。
1番怖いのが、本人は健康だが住んでいる場所や会社がある場所で危険エリアに設定された場合、去年同様に地域一帯が封鎖され出れなくなる事です。
しかし、注意するのが危険エリアがある市に行かない事と自己防衛位しか無い上、この状況が今後も続くかと思いますので本当に困らない程度であちこち行こうと思います。
そして、改めて感じる「中国=スマホ社会」、スマホ無くして生きて行くことは難しいが、何でもかんでもスマホで運用出来るようにしているので、日本と比べて圧倒的に先に進んでいる事を痛感させられます。
3ヶ月以内に一時帰国する計画をしており、日本トランジットで他の国に行けないかを検討してますが、中国出発だと安いチケットが有りません。
一方、海外発券は安いで有名なKL(クアラルンプール)発券が結構安い運賃が有りました。
海外ではどんどん観光客が入国出来る状況になってきており、入国時の制限も緩和が進んでいるので、今年は一度チャレンジしてみたいと思います。

